おにしばり

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この前のコセウノキと同じで瑞香の類で處によつて夏坊主といひます。之も高さ三四尺にしかならない木で、これは山國に多いものですが、前のとは異なつて山國へ行きますと平地でも生えてをります。形はよくコセウの木に似てをりますが、前のは一年中葉が青々としてをりますのに、この木は春になると枝の上端にかたまつて葉を出し夏になるとすつかり落ちてしまひますからナツバウズの一名がある位です。花は青味がかつた黄色で形は前のとよく似てをります。之も春に咲き、前のよりも、少し長細い圓い實を結び、赤く熟します。この實は前の様に辛味はありませんが、かなり激しい毒分を含んでをりますかが過つて飲み下す様なことがあればすぐに腹痛を起こしたり、吐瀉をする様なことがあります。殊に山國の方は注意しなければなりません。そしてこの木は皮の繊維をとつて紙を漉くこともありますから、自然裁植してゐるところもないとも限りませんから、そんな場合はやはり注意する必要があります。

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