こせうのき

トップページ高知県の観光植物図鑑有毒植物図鑑こせうのき

この木は瑞香と同じ類のもので、平地には餘りありませんし、又庭園などでも植ゑられませんが、山國へ行くと深いやまの下などに生えてゐます。ですからこの樹の有毒なることを知つておくのは山國の人に必要なことです。形は圖に示しました様に大へんよく瑞香に似てをります。高さもやつと三四尺位にしかならないもので、葉は革の様に厚く丈夫で表面はこい緑をしてつやがあります。花も亦瑞香に似て筒型で先が五つに割れて少しそり反つてゐます。そして幹のてつぺんへ澤山集まつて咲きます。瑞香は花の色が大抵紫がかつた色をしてをりますが、之は白い色をしてをりますからすぐ分ります。處によつて少し違つてをりますが、大凡そ三四月頃花を咲きます。花がすみますと少し長味のある丸い實がなりまして赤く熟します。この實は胡椒の様な非常に辛い味を持つてをりますから、胡椒の木の名がありますが、決して胡椒の代りにならぬ計りか恐ろしい毒を持つてをりますものですから、山國の人はよく心得てゐて小児等のおもちやなどにしないよう様に気を付ける必要があります。

こせうのき

有毒植物図鑑へ戻る