ききやう

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キキヤウ科

本邦全土の山地に自生する高さ2-3尺の多年草で、全株殆ど無毛、葉は無柄楕圓形、鋭尖頭で鋭鋸齒緣をなし、下面は粉白である。花は梢頭枝端に単立し、萼は鐘形5裂し、花冠は鐘形碧紫色で同じく5裂し、裂片は三角形である。雄蕋は5、柱頭は3岐して居る。この根にはキキヤウサポニンと言う成分を含むので、野生品を採取して桔梗根として薬用とする他、近来は畑地に栽培も行われて居る。畑地に栽培の時は2-6年生の根を用いるが、比較的荒地にもよく成育し、又花は切り花として利用せられて居る。製造法には唯単に乾燥した皮付と言うものと外側のコルク層を7月に掘って剥いて作った晒桔梗の2種があり、多くは晒が喜ばれ、皮付は製剤用にされる。この桔梗はセネガ根や遠志と同様に袪痰薬として重要な物で、殊に我国内で生産し得る事が最も強みである。

ききやう

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