あまちや
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ユキノシタ科
深山に自生あるも目下は栽培されて居る落葉灌木で、根元から枝を叢生し卵圓形又は廣披針形の葉を對生す。夏に繖形花序を腋出し青紅紫色の花を開く。この花序中中央の物は多く萼小さく、周圍のもののみ大きい。この葉の中には、フイロヅルチンなる甘味のある成分があり、これは生葉中では砂糖と結合して居るので甘くないが、採取して乾燥すると甘くなって來る。薬用としては殆ど用途なきも、矯味薬として使用する事が出来、又佛事に用いられる。目下の産地は長野県を主とし、奈良、山口の両県よりも産す。甘茶の製造は8月末より9月の間に枝を地上1尺位を残して刈り取り、その枝の下半部は葉を扱き落し、上半部は枝と共に混じ少しく乾燥したる後手にてよく揉み、その間に充分甘味を出した後完全に乾燥するもので、花の着いた枝は品質良好ならず。
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