しやうぶ
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テンナンシヤウ科
我國各地の沼澤地に自生して居る多年生である。長い劍?の葉を根元から叢生して居り、花は5−6月に棒の様な形をした所謂肉穂なるものとなり沢山集合して着く。又根はやはり長い地下莖が横に走って居り、この植物全体には特有な香を持って居る。この香のするものは植物揮発油或いは精油と言はれるもので一般に植物に水蒸気を通じた時にその水蒸気と一緒に出て来るものである。この日本のシャウブと殆ど同じ植物が外国にもあってその地下莖は芳香性健胃薬として使われるが、我国の菖蒲根はそれに比べると香気があまり良好でなく、不快な味があって、服用した時惡心、嘔吐等を催すのであまり多くは使われない。唯その全草は風呂に入れると身体が温まる為に5月の節句或いは薬湯等に用いられる。
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